俺ら参上ッッ!!
-控え室-
ひかりの控え室の前に来た。
「ふぅ…よし!」
オレは決心してドアを開けた。
そこには…キレイな女の人がウェディングドレス姿でイスに座っていた。
隣には美沙が立っている。
すごく惹き付けられた。
「恋一…!」
「…どちら様?」
「えっ!?」
「はぁ!?」
「えぇ!?」
オレ以外の三人が目を見開いて驚いた。
でも一番驚いているのはオレだ。
今目の前にいるのは紛れもなくひかりなのに…
あんまりキレイで、ひかりに見えなかったから。
「私だよ??恋一っ」
「へ?
あ、あぁ…そう、だよな!」
ウェディングドレス姿が眩しくて直視できない。
そして何よりも恥ずかしくて、オレは目線を反らした。
「似合ってない…かな」
「ば、バカ!!
似合ってるに決まってる!!」
オレはひかりの側に行って抱きしめた。
「あんまりキレイだから…なんか恥ずかしくなっちまって…」
「そ、そう…かな?//
恋一だって…かっこいいよ」
なっ!!////
不意に言われた言葉は、オレの鼓動をさらに速くする。
「こんなキレイな嫁さん…オレにはもったいねーよ…」
「恋一…」
強く強くひかりを抱きしめた。
髪型もメイクもいつもと違うせいか、すごく大人っぽい。
「あー、ラブラブオーラ出してるところ悪いんだが、ほんとに結婚するわけじゃないからな」
「あ!そう言えばそーだった!!」
一気に現実に戻された。
ひかりのキレイさに、オレはほんとにこのまま結婚して、一生一緒に過ごしていくんじゃないかと勘違いしていた。
「でも!
これが正式じゃなくたって、ぜってー正式な式あげてやる!!」
「…へ!?//」
「ほう…恋一、ずいぶん大胆になったな」
「キャー!!
プロポーズ!!」
あ、オレ今なんて…!!
自分の言った言葉を思い返してみると、確かにプロポーズみたいだ。
ふとひかりに視線をやると、頬を赤くしてうつむいていた。
「あー!!
違うんだひかり!」
「え…違うの…??」
上目遣いで涙目になりながら言うひかり。
あー!!
だから違うんだぁああ!!
混乱しながらも、オレは頑張って気持ちを伝える。
「い、今こんな感じでプロポーズするんじゃなくて…!!
もっと…もっと違う形でオレはプロポー…」
「はいはい!!
さ、行こっか!」
「そうだな。
みんな待ってるからな」
「そ、そうだね…」
「っておい!
オレの話聞け!!」
またいつものようにじゃれながら四人で体育館へ向かう。
ヤベー…
すげー幸せだ、今。
ウェディングドレス姿のひかりが隣にいて、腕組みしながら歩いているこの時間が…
何よりも…今まで以上に幸せだ。