あの日もアサガオが咲いていた。
他の学年の生徒からということも考えたが、部活や委員会に所属していない絢也には思い当たる人間が存在しなかった。
絢也はその綺麗な顔をしかめ封筒をじっと見つめる。
印の模様は朝顔。勿論これにも見覚えはない。
因みにこれがラブレターであるかもしれないという可能性は端から無しの方向で考えている。
というよりも、絢也はそんなものが自分に届くはずはないと決め込んでいるのだ。
(…ま、いっか)
差出人のわからないそれだが、見つめ続けていても仕方ない。
不思議に思いながらも、絢也はそれを鞄の中にしまい校門をくぐる。
家までの道を歩きながら、目指すのはちょうど半ば辺りにある小さな公園。
そこは絢也の一番のお気に入りの場所。