あの日もアサガオが咲いていた。
しかし、絢也はそれほどその現実を悲観していない。
彼は知っていた。
今はまだ周りと自分の精神年齢が合っていないことを。
自分は少しばかり急ぎ足で成長してしまったようだと、彼は気付いていた。
だから待つことにしたのだ。
周りが知識を得ることを。
"学ぶ"ことを待つことにした。
それは勉強が出来る出来ないではなく、"考える"ということ。
絢也ならいくらでも周りの温度に合わせることが出来るだろう。
しかしそれが如何に苦痛を伴うことか。
それさえも絢也はわかっていた。
それならただじっと待つことにしようと。そう思っている。
どこか諦めてしまっているのだ。
そして蓋をして閉じ込めた。
周りと同じ、等身大の自分というものを。