あの日もアサガオが咲いていた。
新卒で研修を終えたばかりの二人にとってこれから行われる会議の内容はとても興味深いものであり、ここに就職した理由の大きな一つでもあった。
「…つってもなぁ…」
そんな二人の楽しみを壊すように、割って入ってきた声が一つ。
「楽しむだけってわけにはいかなそうっすね、今年も。なんつーか…いつもより問題児が多いですからねぇ…」
これは大変ですよ、と資料を一枚ピラピラ揺らしながら肩を竦めたのは新垣とは反対側の佐藤の隣に座る四十代半ばの男で。
やる気があるのかないのかわからないその声からは真実を探せない。
ただこの学校でこの男がそれなりの発言力を持っていることだけは周知の事実だ。