あの日もアサガオが咲いていた。
そこにある、熱く胸を焦がすような想い。
恋にも似ていて、それ以上に愛に似た感情。
二人きりの静かな教室は、感動を噛み締めるには最高のシチュエーションだ。
「やっとだ…やっときた…」
通知と柚子の手を握り締め、陽太は腹の底から想いを吐き出すように言葉を紡ぐ。
揺れることのない瞳はその先にある何かを確実に見つめていて。
熱い炎が瞳の奥で燃えていた。
(あぁ…喉が熱い)
焼けるように熱い喉と痛む目の奥。
とても言葉だけでは陽太の抱く感情を表すことは出来ない。
(三年も、待った…!)
そう。陽太は三年もの間待ち続けていたのだ。
この瞬間を。
陽太がこの封筒と出会うのは、この学園に入学して以来二度目のことだった。