あの日もアサガオが咲いていた。
あんなにも脆く苦しい関係を築くためにあるのではない。
今では知らない人の多いそれを陽太は知っていた。
ワンステの始まりと、そもそもの"意味"を。
「俺は…あの人たちみたいになりたいんだ」
「初代のワンステ優勝チーム?」
「そ。俺の憧れ」
その姿を宙に描いて陽太はキラキラと瞳を輝かせる。
二十年前に行われた、第一回目のワンステのステージ。
陽太は幼い頃からその映像をビデオで見ていた。
ここの卒業生であり、当時生徒会の役員であった陽太の両親がそれを持っていたのだ。
そこには今と同じように幾つものグループが競い合う姿があった。
そしてその中に、陽太が目を奪われた人たちがいた。
それこそがワンステ初代優勝チーム。