あの日もアサガオが咲いていた。




時々聞こえてくる

"いい子は終わってしまった"

"いい人材はもういない"

などという言葉たち。




(終わった、ねぇ…)




なら今までが成功だったのかと、龍野は心の中で目の前の大人たちを嘲笑う。

当たり前のように飛び交う生徒たちを卑下する言葉に、新垣と佐藤は思わず眉を寄せた。


そんな新人二人の表情を見た後




「ま、頑張れよ。新人」




そう言って目の前に積んであった大量の資料の一部を佐藤の手に乗せる龍野。

突然手元に落ちてきた想像以上の質量に驚いて、手を滑らせた佐藤がそれを机の上にばらまく。


慌てて散らばった資料をかき集める佐藤の耳には、可笑しそうに喉の奥で笑う龍野の声が聞こえて。

佐藤は恥ずかしそうに頬を染めた。




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