あの日もアサガオが咲いていた。
「実はのう…今回はあの子たちが見に来てくれるというんじゃよ」
全員揃ってな、と老人はその髭を撫でながら再びホッホッホッと笑う。
その言葉に一番に反応したのは、佐藤たちに声をかけたあの年配の女性で。
それに続くように小さく反応した龍野の眉に気付くものはいない。
老人の隣に座っている彼女は、彼と同じようにキラキラとその瞳を輝かせていた。
「まぁ!本当に?あの子たちが来るのですか?」
それは楽しみですねと嬉しそうに声を上げる彼女の姿に、佐藤や新垣を含めその場にいる殆んどの人間が不思議そうに首を傾げる。
そんなことに気付く様子もなく、彼女は機嫌良さそうに手元の資料をめくった。