曖昧プラトニック【完】





「てゆーか、ご両親もあんたに達者な名前つけたもんね。あんたみたいな冷たい人間に、そんな綺麗な名前似合わないわよ」

「それ、両親に失礼だろ」

「...あの」

「......」

「...今日は、ありがと、う」

「は?」

「......昼休憩の、その......」



恥ずかしい。
こいつにお礼なんて言いたくないけど、言わないと気がすまない。



「...あぁ、別に。あれアンタの為じゃないし」

「......だろうけど、あたしは助かったから...一応?」

「...きめぇ」

「......」



さすがに、お礼を言って「きめぇ」なんて言葉を返されたのは人生で初めてだ。




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