そばに居てくれますか?
「そうでしょうね。今までよく平気でいられましたね?!詳しい事は検査をしないと判りませんがね。」
「私、高い所や狭い所でよくなるんです。だから高所恐怖症ですよね?」
「いいえ、確かに症状は似てますが原因はそこではないでしょうね。」
「だって、今まではそんな事なくて、すぐに治ってたんですよ。」
「そうですよね。今までは、でも今回は違いましたよね?」
「それは、最近寝不足続きだったし、昨日はお酒を飲み過ぎたし!」
「いいですか?今、わかってるのは貴女の心臓には変な音、乱れがあります。高い所、狭い所では酸素が薄くなります。それによって心臓が早く働く。頭に酸素が周りにくくなるんです。それによっての発作と考えられます。他には暗い所で息苦しくなりませんか?普通なら暗い所に目が慣れて暗闇でも周りが見えるはずなんです。」
「確かにずっと暗闇です。」
「それもまた。暗い・怖い・目が見えない・という恐怖心が心臓に負担をかけてしまうんです。知らず知らずの内に心臓が悪くなっているんです。早く、大学病院で検査を受けないと命の保証はできませんよ。これは脅しではありません。」
「わかりました。私、まだ死ぬ訳には行きませんから。」
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