コンクリート・ハウス
俺も早速、蓋を開けた。


「かんぱーい。」


ガラスのコップがカチリと鳴る。


「ぷはーっ」

「うめぇな」


工業用アルコールたっぷりの安酒だが、俺達にとって酒に変わりはない。


「なぁ。」


父さんが話始めた。



「朝のあの子、兄ちゃんの娘だろ。」


「…なんだい、バレてたのかい?」


「わかるさ、腫れぼったくて眠そうな目がそっくりじゃねぇか。」


「へへっそうかな…」


急に恥ずかしくなってきて、照れ隠しに鞄をまさぐり、チー鱈を探した。


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