コンクリート・ハウス
「なに?」


「兄ちゃんよ、毎朝あの子見てるべ?」

俺はドキッとしたと同時にイライラした。よりによってコイツに感づかれるとは。


「え?勘違いじゃない。」


とぼける。


「いやいや、間違いない。毎日見てりゃわかるんだよ。ホラ、あの2人組みのセーラー服の右側の子だろ?」


タクランケが笑いを浮かべながら指を指す。



「え、あの子か?」「どの子だ?」
「俺は左の子の方が…」
「進学校の制服じゃねーか」


完全に図星だった上に、みんなが食い付いてきてしまった。

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