武士道セブンティーン!!
目の前の相手の頭を打ち、倒れ込んだところを何回も踏みつける。
卑怯とか言うなよ。夜襲のほうがよっぽど卑怯だから。
「斎藤、大丈夫か!」
叫び声が聞こえて、そちらを振り向くと、
見覚えのある背中が一つ。
肩につく艶のある黒髪に、筋肉の目立たない細めの身体。
刀を構えたまま、周りを囲む浪士達を睨み付け微動だにしない。
おそらく、相手の出方を待っているのか。
(……そんなんじゃ埒があかないでしょう)
ブンッ!
左手に持つ竹刀をぶん投げると、見事に浪士の頭にクリーンヒットした。
「……?! いってぇ、ぎゃあっ」
足元に落ちていた棒切れを掴み竹刀の代わりに構えながら突っ込んだ。
何故そんなところに棒切れが、とかいうツッコミはよして貰おう。