武士道セブンティーン!!
段々足音が近付くと共に、荒くなる鼓動。
何でこんなにドクドクしてるんだ。
誰かの話し声が鮮明になる。しかし、何を話しているかは聞き取れなかった。
ザッザと引きずるような足音と話し声は、やがて遠ざかっていった。
「……はぁー……」
あたしは大きくため息をついてから、ギクリとして口を塞いだ。
異常なほど静かだから、聞こえてしまいそうだ。
物陰から出ると、あたしは辺りを見渡した。
(……てか、マジでどうしよう。ここどこ?)
夜だからか人が全く居らず、誰かに聞くこともできない。途方に暮れてしまう。
(……オーイ。17にもなって迷子かよー)
迷子以前に、場所すら分からない。話にならなかった。
「……ま、歩いてりゃどっか着くかな」
マイペース・テキトーはあたしのモットー。あたしの最大の長所であり欠点である。
ちなみに、お気楽な所は母親から、
(友達いわく)バケモノ並の剣術の才は祖父からの遺伝だ。
まともな父からは……何を受け継いだんだろう。謎だ。