武士道セブンティーン!!
眞希、パシりになる。 【中】
部屋にて。
あたしは部屋にある竹刀を取りに戻った。
愛用の品。勝負するならこれがいい。
眼帯は直前までつけたまま。面を被る前に取るようにしている。
両頬を叩き、気合いを入れてから部屋を出た。
(あたしを馬鹿にした奴らに、目にもの見せてくれるわ)
内心 女らしくない下品な笑いを漏らしながら、無表情でいると。
「おい」
いきなり声がかかる。
視線をずらすと、障子の隣の壁に腕を組んで佇む人。
「あ、斎藤くん」
「馴れ馴れしいな」
斎藤は横目にあたしを一瞥し、そう言った。
「斎藤さんの方がいいですか?それとも下の名前?」
「俺の名前を知っているのか」
「知らないです」
「一(ハジメ)だ。斎藤一」
「一くん?カッコいい名前ですね」
「………そうか」
何だ今の間は。
まさか照れてる?