武士道セブンティーン!!
「……ごめん」
藤堂はしばらくしてから、ポツリと謝った。
「…何か謝られるのも癪なんですけどー」
「じゃどうすればいいんだよ!」
あたしははぁとため息をついた。
「もういいですよ。あたしも乱暴なことしましたし。おあいこってことで」
あたしは面を外すと、剣道着のポケットに
入れていた愛用のアイパッチを左目に再装着した。
「すいませんでした。大丈夫ですか?」
藤堂の前に膝をつき、少し微笑む。
彼はあたしの柔らかい態度に驚いたのか、目を丸くしてあたしを凝視していたが、
やがて虫の居所が悪そうに目を泳がせながら頬を赤らめた。
「だ、大丈夫……。俺こそ悪かった。ちょっと舐めてた」
「認めたし」
「あぁ、でもっ!途中からは本気出したからな!お前、本当に強ぇし!」
「あたしがそう仕向けたからですけどね。知ってます」
「生意気なんだけど!何だこいつ!」
「宮本眞希様ですけど何か?」
「開き直ったし」
あはは、と穏やかに笑いあった所で、視線を見物していた他の奴らに向ける。
みんな何やらコソコソと小声で話し合っている。
「…………」
あたしは目を細めて奴らを見た。
生暖かい感情からじゃない。不快な感情からだ。
………感じ悪ィ。