武士道セブンティーン!!
「何で斎藤くんは良くて俺は駄目なの?眞希ちゃん」
「自分の胸に聞いてみろ。サディスト」
「さでぃ……?」
沖田はもう無視して近藤に向き直った。
あたしの無言の視線に近藤は困ったように眉を寄せる。
「うぅーん。でもなぁ宮本君。
いざって時に、何かあったら君の立場は隠さなければならないだろう?」
「……はい」
「そういう事に関しては、トシの他にうってつけの者はいないんだよ。
トシの口の巧さは右に出るものがいない。
ズル賢さは狐並みだからな、トシは。俺は良いとこ狸だ」
「………」
「………」
いや、狸も負けてないよ。だって腹真っ黒だもん。狸だし。
「……、まぁつー訳だ。いいか?お前が俺達にいちゃもんつけた所でもう決定事項だ。
残念だったなクソ女」
ガンッ!
「いっ……づぅ、」
「ぬぁあ……」
「……馬鹿じゃないの」
沖田の呆れたような冷ややかな声がした。
うるさいサディスト。この変態が悪いんだ。
つい今、土方はニヤリと悪人ヅラで笑いながら、あろうことかあたしの顎を指でクイッと
仰のかせたのだ。
どこのホストだよ。
そう思いながら近い距離と無駄に秀麗な顔に不覚にもカァッと顔に熱が集まり、
そして同時に苛立ちMAXになったあたしが思いっきり頭突きをかましたわけだ。
額を押さえ蹲りのたうち回るあたしたちに、
どいつもこいつも腹立つ表情。