武士道セブンティーン!!
「宮本。諦めろよ。今日から大人しく土方さんの僕(ぼく)になれよ」
哀れみを含んだ表情であたしの肩を叩いたのは藤堂だ。
さっきの態度と全く違うんだけど。激変してんだけど。随分親しげになったものだ。調子いい奴。
「ちょっと!悪化してるじゃないですか、何で下僕に格下げなんですか!」
「だって土方さんだぜ?」
「どういう意味だ平助!」
「うるさいんですけど。つか近いんですけど。こっからこっち、入ってこないでくれません?土方さん限定で」
「オメーが頭突きなんざするから頭グラグラして動けねぇんだろうが!」
土方は額を押さえながら憤怒の表情で怒鳴る。
どうもこの男とは馬が合わないらしい。会う度に喧嘩に発展してないか。
「アンタが必要以上に近寄るからでしょうが。
挑発しないで下さいよ、アンタには何されたって癇に障るんです!」
「んだとこの猪女!」
「黙ってろ変態が!」
オイもう喋んな土方。いいかげん疲れたぞ。
貴方が黙ればあたしだって何も言わねーんだよ。察しろよ、いいかげん周りもうんざりした顔してるぞ。
終わりのない迷宮に迷いこんだみたいだ。迷宮は迷宮でも頭のだけどな。
どっちかが終止符打たないと永久に続くよコレ。
そんなあたしたちに終止符を落としてくれたのは、全く笑ってない笑顔のあの方だった。
「……土方さんも眞希ちゃんもいいかげんにして下さいよ。
こちとら、昨日の襲撃から君の試合の立ち会い、加えて配属決めで休む暇なく頭使ってあげてるんだよ。
ただでさえ疲れてるのに、貴方たちの
クソ詰まんねー口喧嘩に付き合わされるなんて御免なんです。だから大人しく黙って口閉じてろよ」
「「……………」」
腹黒殿下の降臨だ。