武士道セブンティーン!!
『浪士組に女なんかいらねぇんだよ』
唐突に、そう言い捨てた土方の、冷ややかな目を思い出した。
『副長は優しい方だ。そのうち分かる』
………もしかしてあの言葉は、斎藤くんの言うアイツなりの “優しさ” なんだろうか。
皮肉ではあるが、分かっている。
分からないほど鈍くないし、お節介そうな奴らの機微なんて考えないでも分かる。
でも、気にくわない。
言うなら言うで直接言えばいいじゃん。
何で遠回しに実行しようとするかな。
肝心なことは何一つ言わない。これだからあの類いの男は嫌いなんだ。
(……お互い様だけどね)
素直じゃないのはあたしだって同じだ。
だからこそいけすかない、と思う。
(何か疲れた)
悩むのも、考えるのも性に合わない。
今度こそ頭を動かすのを完全に
シャットアウトして、天井に浮かんだ、不気味なシミを眺めながら、静かに目を閉じた。