武士道セブンティーン!!


「何なの毎度毎度」


思わず舌打ちする。今さらマトモに逃げられない。

とりあえず音を立てないように神社の裏に身を隠す。

声は社の正面から聞こえるから、恐らく出てくるのはあっちからだろう。

裏に回って来ないと願い、息を殺ししゃがみこむ。


「………あれは、間違いなく女子じゃ!」

「んな訳あるか松本!おんしの目は節穴がか?!」

「どっちも喧しい!もう少し声を潜めんか!」


やって来たのは多分3人の男だ。

何か喧嘩してるっぽい。仲間割れか?


「お前らの話は無駄が多すぎて分からん。もっと簡潔に話せ」

「だぁーから言うとるじゃろうが!一週間前の壬生狼襲撃の時の、謎の異人の話じゃ!」


………壬生狼襲撃?


ピクリと反応してしまう。“壬生狼”───それは奴等のことじゃなかったか。

そう言えばこっちの時代に来たときの浪人達が、“壬生狼”って言ってたっけ。

じゃ、襲撃ってこないだの?


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