武士道セブンティーン!!
第五幕*狼達の素顔

意地っ張り




───時を遡って。



眞希が出ていった後の土方の部屋には、
立ち尽くす土方と無様に散乱した書類だけが残っていた。


「…………」

土方は深いため息をつくと、床に散らばった紙たちを膝をついて集め始めた。


「………そんなとこで何してんだ総司」

「あ、気付いてましたか」


沖田がクスクスと笑いながら開きっぱなしの障子から顔を出した。


「宮本さんやりますねぇ。鬼副長にここまで楯突くなんて」

「宮本はうちの隊士でないし、俺はあいつの副長じゃねぇ。あいつにとっちゃただの気に入らねぇ男だろうよ」


土方は憮然として紙を拾いながら言う。
そんな土方に沖田はおかしそうに笑いながら、壁に凭れて胡座をかいた。

       ・・・
「男じゃなくて性悪男、でしょう」

「……殺されたいのかお前は?」


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