武士道セブンティーン!!
ムッとして、ジロリと見上げると、意外と高い身長。
目付きは物凄く悪いが、全体的に整った顔立ち。
「きれーな人……」
ボケーっと見惚れていると、永倉の眉間のシワが寄った。
「お前ナメてんのか?長州の奴かって聞いてんだよ。答えろ」
「誰がテメェなんか舐めるかよ」
「あ?」
「長州の奴かそうじゃないかって聞かれたら、そうじゃないです。多分」
「多分?」
「だって質問の意味が分かんないし」
あたしの言葉に、男は心底ウンザリしたようにため息を吐いた。
いやいや、それあたしの方がですって。
「……埒があかねぇ。ひとまず縄でしばれ。屯所に連行する」
「豚舎?豚小屋は嫌ですよ」
「屯所だっ!てめぇの耳はどうなってんだ!」
キレられた。まことに不本意である。後ろ手に縛るて、あたしは罪人か何かか。
「ほら、歩け」
永倉を怨めしく睨んでいたが、倍以上のおっかない目で凄まれたので慌てて目を逸らした。