武士道セブンティーン!!
「それに………不満がたまっても仕方がないです」
「あ?」
「だって土方さんですもんねー。虫酸が走るくらい嫌いな」
「何が言いてぇんだよ総司」
分かったように笑う沖田に苛々した土方は、胡座をかいた膝に指をトントンと打つ。
「ここは男だらけのむさ苦しい場所ですしねー。あの子もアバズレなりに女の子ですから」
「………」
「一日中閉じ込められて、見張られて不満は溜まるし。それでも外に出ることすら出来ないから発散もできない。
まさに “息が詰まりそう”で “鳥籠みたい”ですよね」
「…………あ」
ハッとしたように瞬く土方にわかりました?と意味深に微笑む沖田。
土方は沖田のそんな表情を見てバツが悪そうに顔をしかめる。
つまりそういう事だ。
彼女はココに拘束されて二週間近く、一度も外に出たことがなかった。
なかったと言うよりは、出させてもらえなかったと言うべきか。
何日前だったか、障子を開いた隙間から、ボンヤリと空を眺めていた眞希を沖田は見ていた。
ここでの生活は寝る場所もあるし食事も与えられて、恐らく不便はなかったことだろう。
しかし何もかも気遣いが足りてなかったな、と沖田は思った。