武士道セブンティーン!!
最初の不気味な笑いとは違う、少し感情の見える笑み。
奴が何を思ってるのか知らないが、あたしは不思議と冷静だった。
もしかしたら………いや、あんなのにやられたら確実に死ぬだろうに、
それでも落ち着いていられるあたしはどうやらこの状況を理解できてないらしかった。
(アー………あたし、ガキだな)
ここに来てから、初めて知ることばかりだ。
現代にいた頃は、周りにはよく “クールビューティー” とか言われてたんだけど。
こっち来てから自分でもビビるくらい騒いでると思うし。
いや、そもそもクールビューティーとか言われてた事がおかしいんだけどね。
あたしは静かに目を閉じる。
あー、痛いのヤダな。せめて一発で逝かせて欲しい。
鋭く空を斬る音が妙に大きく聞こえた。
あ、死ぬわ。
そう考えた瞬間。
「…………っ!」
武田の息を飲む声と。
「───こんな人目につかない路地裏で女性を襲うのは頂けませんねぇ。
いくら彼女がアバズレでも」
聞き覚えのある憎たらしい声が響いた。