武士道セブンティーン!!
アンチヒーローは遅れてやってくるものらしい
刀同士がぶつかる鋭い金属音がした。
スッと目を開くと、そこにいたのは。
気だるい表情で笑いながら、武田に刀を押し付ける沖田だった。
「………誰が、アバズレですか」
眉を潜めて低い声で言った。
「貴女ですねぇ」
軽いテンポで話す沖田に殺意がわく。
人が大人しくしてりゃあ勝手なこと言いやがって。
沖田はあたしの殺気を素知らぬフリで交わし、刀を弾き返すと正眼に構える。
「お前は誰ですか。彼女に刀を向けている時点で味方ではないのでしょうけど」
「………見覚えがある。壬生狼の沖田だな。
沖田総司」
「ご存知ですか。それは光栄ですね」
「知らん訳ねぇじゃろ。人斬り沖田」
「貴方も似たようなものでしょう」
沖田は冷ややかに笑うと、一気に間合いを詰めた。