武士道セブンティーン!!
こちらを仰いで言う沖田の声に、
ぼそりと呟いた黒づくめ───山崎と言ったか───は、静かに地面に飛び降りた。
「ぐぇっ」
いかんせん乱暴な降り方に、あたしは呻く。
振動がダイレクトに伝わってきたからだ。
暴れながら乱暴に猿ぐつわを外して、山崎を見上げる。
「……アンタ、あたしに気ィ遣うとか考えなかったの。地味に痛いんだけど」
「アバズレが何を言う」
「ほざけ」
覆われた顔の唯一覗くつり目ぎみの瞳を、じろりとねめつける。
奴の瞳が僅かに細められたことから、どうやら同じように睨まれているらしい。
「あれ?ずいぶん仲良くなったようですねお二人さん」
「どこが」
「誰が」
「クスクス、宮本さんってどう転がっても喧嘩に持ち込むんですね」
沖田が袖を口許に当てながら少女らしく笑う。
何こいつ。