武士道セブンティーン!!
「………その女、出て行ったのではなかったか」
「出戻りですよ」
「旦那と別れた妻みたいに言わないでくれます?」
嫌味だわー。
分かって言ってるわ絶対。
「出戻り……?」
「ええ。不逞浪士と鬼ごっこしてました」
「してねぇよ!」
あんなボコボコにやられてたってのに!
何が鬼ごっこだっての!
「……何かボロボロだが………大丈夫なのか」
「斎藤君………あなた最高です」
彼は話が分かるだけでなく気遣いまで出来る人だったらしい。
マジ最高。こういう人マジタイプ。
「ああ、そういえば満身創痍ですねー。手当してもらいますか?土方さんに」
「断る!」
「まぁそう言わずに」
言いながらグイグイあたしの腕を引っ張っていく沖田。完全に話を聞く気は無いと見た。
……もう好きにしろよ。
はぁとため息をついたあたしに、沖田は正面を向きながら何気なく呟いた。
「ところで、聞きたいことがあるんですが」
「何ですか」
「腕が切れてるのは何故ですか?」
「枝に引っ掛けたんです」
「頬が腫れてるのは何故ですか?」
「地面に擦って腫れてきただけです」
「………じゃあ、左目を髪で隠しているのは何故ですか?」
「……………」