武士道セブンティーン!!
隊士たちが全員大広間(食事するところ)に入るのを見計らって、あたしも膳を持って部屋に戻る。
ここ最近は一人で食べている。あくまで “内密” だから。
「宮本君、ちょっといいかね」
今日も同じように、ご飯を食べようと箸を持ったタイミングで、声がかかった。
声の主は井上だ。
「ハイ」
「局長がお呼びだ。膳を持ってこっちへおいで」
「局長が……?」
怪訝な顔をしたあたしに、井上は微笑んで言った。
「“顔見せ” だよ。男ばかりで緊張するかもしれないけど、しっかりね」
顔見せ……。
このタイミングでですか。
「局長、連れて来ましたよ」
開け放たれた大広間に入ると、ずらっと並んだ食膳と男達がいた。
外国の長テーブルみたいに、皆が顔を合わせて膳を囲んでいる。
井上について入ると、その視線が一斉にこっちに向いた。さすがにヒビる。
あたしを見て僅かにざわめく。
まるで無法地帯だ。決して好意的な視線や言葉ではない。
「静かにしろ」
低い、静かな声が通る。
瞬間、一気に静まり返る大広間。
純粋に凄いと思う。
この無法地帯を簡単に沈めるなんて、フツーじゃないな、土方。