武士道セブンティーン!!


「えー、彼が今日から新たに加わった新入隊士の宮本君だ。
こんな細っこい女子のようなナリをしているが、副長助勤に並ぶ凄まじい剣の使い手だからな。
そこら辺の浪士よりは腕は上だから、足を引っ張るということも無いだろう」


え、あたし女ですけど。

別に、そんなに強くもないですけど。


言っとくけど、全国一位になったのとか3、4年前だからね。

もう今じゃ大して凄くも何ともないから。
ごく平均的だから。



「じゃ、宮本君から一言」

「え」


突然の振りに固まる。
いきなり話せってか。

戸惑いながら視線を動かすと、土方がすごい形相で睨みつけていた。勿論あたしを。


『変なこと言って、近藤さんの顔に泥を塗ってくれるなよ』
と、その目が全力で訴えている。


(言わねーっての。相手は近藤さんだし)

こんな絵に書いたような善人、悪く言う訳ない
でしょ。

土方とか永倉とか沖田だったら分かんなかったけど。


あたしは前を睨むように見据えながら、息を吸った。

始めをしっかりしないと、後がたいへんだからな、と父が言っていた。

考えたくないけど、もしかしたらこれから長ーい付き合いになるかもしれないし。

ナメられるのも嫌われるのもごめんだ。


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