武士道セブンティーン!!
「あたし、生まれつきの白内障なんです」
「はく……ないしょう?」
皆がきょとんとした顔で首を傾げる。知らないようだ。当たり前か。
「はい。ここじゃ何て言うのか知りませんけど」
「なぁ、白内障ってなんなんだ?」
「目の、黒目のとこあるじゃないですか。
そこが白濁して、視力が低下する病気です」
「病気……」
原田にまじまじと顔を見られる。何だ、あたしが病気だとそんなに不思議か。
「……ま、病気って言っても、治療すれば治る余地もあるんですけど」
「何だ、治るのか」
「……まぁ、治療すれば、ですけど」
そう言って、俯く。
これ以上話していると、思い出してしまう。
『眞希!』
───あの、血に染まった手を。
「………眞希ちゃん?」
沖田の呼びかける声にハッとする。
「あ……なんですか?」
「いや、ボーっとしてたので。大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
言いながらため息をつく。
ダメだ、こんなんじゃ。
強くなるって決めたんだから。