武士道セブンティーン!!
小姓 兼 隊士です。②
「はぁ……」
面倒だ。
心底そう思う。
永倉は脱力しながらげんなりと顔をしかめた。
頭に感じる鈍痛はきっと気のせいではないだろう。
原因は決まってる。
ひと月前、永倉が拾ってきた隻眼の女のせいだ。
『ぶっ殺しますよ』
『死ねよ』
『消えろ』
呟かれた暴言の数々。思い返せばキリがない。
宮本眞希とはそういう女だ。
無駄に綺麗な外見に、悪い口悪い手癖。
飄々と掴みどころがなく、浪士組きっての分からない男沖田以上に分からない女だ。
そんな女も、色々あって、ようやく災難というべきか何と言うか、とうとう浪士組の仲間入りを果たしてしまった。
と言っても、隊士ではなく小姓と副長助勤の補佐役という役職だが。
不覚にも眞希の言葉を借りるなら“小間使い”、これに限る。