武士道セブンティーン!!
【土方】
月が雲に隠れる。
障子の隙間から差していた光が消える。
「嫌な天気だな…………」
永倉が胃の痛い思いをしていたその頃、土方は自室で月を見ていた。
今夜の空は嫌な空だ。ザワザワと揺れる木々も何だか気味が悪い。
「何が嫌なんですか?」
廊下から声がかかる。
壁に持たれて隙間から月を見ていた土方は、
その声に背中を起こすと、障子を開けて外に出た。
「総司」
「今日は風がうるさいですねぇ。まるで責められている気分です」
ふっと笑いながら、肩をすくめて廊下に手をつく。