武士道セブンティーン!!
久しいな、と土方は思った。
武州にいた頃は、あのオンボロの道場で三人でよくこんな風に話したものだ。
久しいと言ってもその記憶もたかだか二年程前の事で、大して時は経っていない。
ただ心境としては、ここ二年で状況がめまぐるしく変わり、気楽だったあの頃が酷く懐かしく感じるのだ。
何気ない事で笑い、はしゃいでいたあの頃。
剣を取った事に後悔はない。だが、時々あの頃が恋しく思う。
それは二人も同じようで、月を見上げる横顔はどこか切なげだ。
昔を思い出ししみじみと微笑む三人。
「ぅああああぁっ!!」
────尋常じゃない叫び声が聞こえてきたのはその頃だった。
「なっ、何だっ?」
驚いたらしい近藤が慌てて立ち上がった。
沖田は変わらず飄々としているが、土方も少なからず驚いた。
「何ってあれですよ。【腕試し】」
「! …………では、あれは宮本君か……」
近藤は目を細め宙を見る。
「所詮、女だったって訳か」
土方は原田と永倉に、遠慮なく眞希を襲えと言ってあった。
遠慮なく襲った結果がこれ、という訳だ。
「やはり小姓止まりか……」
「…………まだ、分かんないですよ」
沖田が唇の端を吊り上げ、妖しく笑う。
その時だ。
「─────うぎゃぁああああっっ!!!」