武士道セブンティーン!!
「うっ……」
目を潤ませる為三郎に、男は「やかましい!」と怒鳴りつける。
ビクッと肩を震わせる為三郎に、あたしの眉間にもシワがよる。
「分をわきまえるって何ですか?
いきなりやって来てえらそうに喋って子供に怒鳴りつけて。
いい大人が恥ずかしい。
武士としてその振る舞い、分をわきまえるべきなのはアンタの方じゃないですか」
「貴様……っ」
今度こそ、あからさまに顔を怒らせた男は、腰に差している刀を抜いた。
悲鳴を上げる為三郎の声を聞きながら、反射的に刀を抜いた手に手刀を打ち込んだ。
顔を歪めて刀を取りこぼした男。
カラン、と地面に落とされた刀を足で庭の端に蹴り飛ばした。
武士の魂と言われる刀を足蹴にされて、
屈辱に激しく睨み付けてくる男を、負けじと睨み返す。
「貴様、命が惜しくないのか」
「命は惜しいけど、間違ったことはしていない」
為三郎を背中に庇いながら、冷ややかに睨み合う。