武士道セブンティーン!!
もう一人の局長
「っ…………!!」
距離が近すぎて、寄けられない。
いつの間に、こんな。
ガツッ!
「…………っ、」
激しい痛みが、ぶたれた腕を伝って脳に響く。
思わず声が出そうになったが、そこは歯を食いしばって、意地で堪えた。
(こんな奴らの前で、痛がったりするもんか)
「ほう……。鉄扇で殴られてもなお、声も上げないとは…………見上げたものだな」
そうは言いながらも、明らか馬鹿にしたようにあたしを見下ろす目に、
眉をきつく寄せて、鋭く睨んだ。
「芹沢先生!」
新見、と呼ばれた狐目の男は、鉄扇を持つ男を見てそう叫ぶ。
奴は芹沢、というらしい。
「新見よ。こんなつまらぬ男に構う必要はない。行くぞ」
「はっ、はい!」
芹沢は最後に冷たい一瞥を残して、のしのしとその場から去った。
新見もそのあとを追うように、ぎっとあたしを睨んでから、足早にどこかへ行った。
(…………すごく、腹が立つ)