武士道セブンティーン!!

もう一人の局長




「っ…………!!」


距離が近すぎて、寄けられない。

いつの間に、こんな。



ガツッ!

「…………っ、」


激しい痛みが、ぶたれた腕を伝って脳に響く。

思わず声が出そうになったが、そこは歯を食いしばって、意地で堪えた。


(こんな奴らの前で、痛がったりするもんか)


「ほう……。鉄扇で殴られてもなお、声も上げないとは…………見上げたものだな」

そうは言いながらも、明らか馬鹿にしたようにあたしを見下ろす目に、
眉をきつく寄せて、鋭く睨んだ。


「芹沢先生!」

新見、と呼ばれた狐目の男は、鉄扇を持つ男を見てそう叫ぶ。
奴は芹沢、というらしい。


「新見よ。こんなつまらぬ男に構う必要はない。行くぞ」

「はっ、はい!」

芹沢は最後に冷たい一瞥を残して、のしのしとその場から去った。

新見もそのあとを追うように、ぎっとあたしを睨んでから、足早にどこかへ行った。




(…………すごく、腹が立つ)



< 254 / 337 >

この作品をシェア

pagetop