武士道セブンティーン!!



今日の宮本は良く言えば大人しい、悪く言えば大人しい。…………どっちも同じじゃねぇか。


何と言うか、不気味だ。




「…………っ、」


源さんの前に湯飲みを置いたとき、宮本はかすかに体をよろめかせた。


「宮本さん?大丈夫かい?」

「…………大丈夫です。ちょっと眠くて。すいません」


体を源さんに支えられると、いつもより早口でそう言った。


…………怪しい。



「やだなぁ眞希ちゃん、隙だらけですよ。
今ならカンタンに殺れそうですね」

「総司」


近藤さんの諌めるような声に総司は肩をすくめる。


「……いつもいつも、貴方に勝てる訳ではありませんから。
集中力が切れているのは、自覚してますけど」


静かにそう言って、最後に俺の前に湯飲みを置くと、すっくと立ち上がる。


「では、失礼します」

「待て。宮本」

「………………」


宮本は無表情で己を止めた土方さんを見つめると、
「何ですか」と抑揚のない声で言った。



「まだ行くな。そこにいろ」


土方さんの言葉に、宮本は眉を寄せて睨み付ける。

いつもとは違う、少し剣の含まれる顔に、僅かに背筋が緊張した。


「…………あたし、早く寝たいんですけど。
あたしに聞かれたくない話なんでしょう。早くここから出した方がいいと思いますけど」

「いや、今はお前が最優先事項だ。
───オラ、腕、出せ」




「………………」



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