武士道セブンティーン!!
「宮本、待てよ」
「待ちません」
「…………」
こういう時、奴は面倒くさい。
強情なところは、土方さんと通じるものがある。
そう言えば、土方さんと宮本の仲の悪さは同属嫌悪だと総司が言っていた。
「だから、待てって!」
スタスタとやたら早足な、先を行く宮本の手を何とか掴み、こちらを振り向かせる。
「…………っ、」
「……何だよ?」
少しだけ、何かに怯えるように顔を歪めた宮本に、怪訝に問う。
宮本はキッと俺を睨むと、掴んでいるのと逆の手で俺の手を払った。
「何でもないですって!」
鬱陶しそうな表情にムッとして、また歩み出そうとした宮本の腕をガッチリと掴んだ。
「逃げんなって──…………」
「きゃあぁぁっ!」
「?!」
いきなり上がった甲高い女の悲鳴に、驚きのあまり肩をビクッと揺らした。
「なっ、宮本…………っ?!」
「…………っ、ぅ、」
崩れるように廊下に座り込んだ宮本は、肩を大きく揺らしながら腕を握っている。
『見えてんぞ、腕の包帯』
「………………」
俺はその手を強引に取ると、腕に巻かれた包帯を無理やり剥ぎ取った。
その時にも「うっ……」と呻いたので躊躇したが、
包帯の下を見た途端、そんな気持ちはどこかへ富んでいった。
「────何だこれ」