武士道セブンティーン!!
「本当は、新見が喧嘩売ってきたというより、あたしが先に突っかかって行ったんです」
「…………」
「あたし、その時、為三郎と一緒にいて」
「為三郎?…………八木の坊か」
「はい。………為三郎の折った半紙を、新見がぐしゃぐしゃに踏み潰して。
泣きそうになったあの子に、あいつは怒鳴りつけたんです」
「…………」
「その後のことは、ほとんど話した通りです。
新見と口論になって、その時に芹沢が来て、殴られました」
「…………」
斎藤はあたしの言葉に眉をひそめた。
「…………それは……、お前に非はないではないか」
「まぁ、乱暴な口を利いたのも本当ですけどね。反省なんてしませんけど」
「…………何故、八木の坊を庇ったのだと言わなかった?」
斎藤は少しだけ厳しい目をしてあたしを見る。あたしを責めているような、そんな目付きで。
「この件に関して、あの子は何も悪くないからです。
…………突っかかって行ったのも、原因はあの子だけど、その後のことは全部あたしのやらかしたことですから。
怯えて何も出来なかったあの子を、巻き込んだのはあたしの方だ」
新見の態度に腹が立って、突っかかって行って。
新見を相手にして、油断したところを後ろからやられた。
…………多分、だいぶ加減されてたけど。
あれ、刀だったら間違いなく死んでたもんね。
「…………本当、最悪」
「…………」
項垂れるあたしを、斎藤は無言で見つめると、ポツリと呟いた。