武士道セブンティーン!!



「…………お前が八木の坊を庇って喧嘩になったというのは、それだけ乱暴に振舞った新見を許せなかったということだ。

芹沢に殴られたのも、傍に坊がいたからだろう?」

「…………」

「お前が落ち込む理由はない。少し短気がすぎたくらいだ。

お前の見え透いた挑発に乗ったのなら、新見もその程度の人間という事だ。ガキと同じだな」

「…………あたし、慰められてるんですかね?」


けなされてるのか慰められてるのか良く分からない斎藤の言葉は、返って何かつらい。


「何だかやけに覇気がないな。いつもの宮本らしくない」

「謹慎くらって半軟禁状態なのに、どうやって気分あげたらいいんですか」

「外出てるではないか」

「部屋の外なだけで外に出てるわけじゃないですもん」

「謹慎でなくたってお前は半軟禁状態だろう。

京の町に出たことがあるか?」

「………………」


痛いところを突かれた。

隊士になったと言っても、仕事と言ったら土方のパシリか副長助勤のパシリしかなくて、
仕事というかもうただの便利屋になっている。


巡察、にも一度も行ったことがない。

ちなみに稽古にも出たことがない。

まぁ、稽古ぐらい自分一人でも出来るんだけど。


でもたまには誰かに相手してもらいたいじゃん。


「あ、ますますヘコんできた…………」

ただでさえちょっと落ち込んでたのに、斎藤のせいでますます気分が下がってしまった。


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