武士道セブンティーン!!

ポツリと呟いた。斎藤はあたしを見る。


だって。



「…………じゃあ、どうすれば良かったんですか」

「…………」

「為三郎を庇って怪我しましたとか、あの子がされた事が癇に障って暴れたとか、
そのまま報告すれば良かったんですか？
それじゃあ、あの子が全部悪いみたいじゃないですか」

「誰もそんなこと言ってないだろう」


興奮するあたしと対照的に、斎藤は冷めた、どこか呆れたように言う。


「坊を庇った事は事実。坊のされた事が癇に障ったことも事実。
そしてそこからお前がしたことも事実だ。
それが全てだろう。誰も悪くない」

「…………」


少し、論点がズレてる気がするんだが。

斎藤が言ってることとあたしが思ってることが何か間違っている気がする。


「お前は坊が悪いみたいに思われるのが嫌で、気を遣っているみたいだが。
そもそも坊はそんなこと気にするのか？」

「は？」


訳がわからない。

それに、だんだんあたし自身も何が言いたいのか分かんなくなってきた気がする。


「お前のすることが誰の為になる、ということだよ。
………………ひとつ教えてやる、宮本」


「…………？」