武士道セブンティーン!!
切れ長の目をすっと細めて、微笑を浮かべる斎藤。
その綺麗な微笑みに息を呑む。
「男という生き物は、面倒くさくて生きにくい生き物だ」
「…………はぁ?」
いきなりなんだ、という非難めいたあたしの視線を交わすと、斎藤はどこか遠い目で空を仰ぐ。
「男ってものは、守るのはいいが守られるのは嫌いなんだよ。
それが女なら尚更な」
「…………」
あれ。
何だか、様子がいつもと違う気がする。
彼の顔はあたしを見ているのに、その瞳は彼の中の別の誰かを見ているような。
「守るべき対象に、己が守られるのは、情けなくて、惨めで、腹が立つくらい心地よいものだよ」
「…………」
…………彼の心は、誰を見ているんだろう。
「…………だから理由がどうであれ、お前が坊の為にしていることは坊の為なはならない。
子どもであれ奴も立派な男子だ」
首を傾げるあたしには全く気付かないで、斎藤は話を続ける。
「男子っていうか、男の子っていうか……」
「女子に庇われるのは、男としては情けないことだ」
「何が言いたいんですか?」