武士道セブンティーン!!
「思ったより鈍いんだな」
斎藤は目を丸くしながらあたしを見た。
様子は戻ったようだが、何だか馬鹿にされてるような気がして、ムッとする。
「ハッキリ言ってくださいよ」
「幼心にも、分かってしまったという事だ。
子どもだからと、あまりナメては駄目だ。
あの子はもう、守られる対象じゃない」
「…………」
………………やっぱり、斎藤は良く分からない。
あたしが眉間を寄せ険しい顔をしていると、
「ほら。行かなくていいのか?」
と角の向こうを指差した。
ハッとしたあたしは、「為三郎!」と叫びながら外に飛び出した。
「眞ちゃん…………」
「宮本、テメ…………」
後ろからすごい怒気を感じるが、無視をして為三郎の前にしゃがみこんだ。
眉の下がった、涙でぐしょぐしょの顔を手で拭って、そのまま胸に抱き締めた。