武士道セブンティーン!!


「ごめんね。こんなに泣かせて」

「眞ちゃん…………」

「あたしのした事は、余計な事だった。
為三郎は、守られるほど弱くないね。ごめんなさい」


為三郎はきょとんとした顔で、あたしに抱きしめられている。

その瞳は涙で真っ赤になっている。



「あたしの為に、こんなに泣いてくれたんでしょう」

あたしの為に、こんなとこまで来て、土方に談判してくれたんでしょう。



為三郎は前に、土方が怖いと言っていた。

あの眉間のシワじゃ、怖がられても仕方が無い。

加えて、なまじ容姿が整っている土方だ。
あの顔に仏頂面を貼り付けているだけで、子供には恐怖の対象になるんだろう。



…………そんな土方に、あたしの為に会いに来たんだ。

門には見張りの隊士がいて、きっと何か言われただろうに。


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