武士道セブンティーン!!
さっきの斎藤の言葉は、半分以上が理解できなかったが、
『あの子はもう、守られる対象ではない』
確かに、そうなのかもしれない。
守るつもりが、かえって守られてしまった。
ここまで必死になってくれた為三郎に、いくら土方だって、無視することはしないだろう。
現に、斎藤が直に謹慎も解ける、と言っていたし。
彼は嘘はつかない。
「ありがとう。あたしの為に頑張ってくれて」
為三郎の頭を撫でる。
「おかげで、もうじき謹慎も解けそうだよ」
「おい宮本…………」
「ほんとっ?!」
低い声であたしの名を呼んだ土方の言葉を遮って、
為三郎が興奮したように声を上げた。
「ほんとっ?!ほんとに、眞ちゃん謹慎解ける?!」
「ホントホント。今週中には解けるよ」
「やったぁ!!早く一緒に遊ぼう。ぼく、空飛ぶイカ もっと上手に折れるようになったの!」
「それは楽しみだなぁ。謹慎解けるのが待ち遠しいよ」
為三郎を宥めながら、ニヤリと視線を移す。
そこには、ギリリと歯軋りが聞こえそうなくらいこっちを睨む土方。
その傍には呆れた顔の斎藤。
いくら鬼の副長といえど、ここまで目を輝かせている子供を前に、何も言えないだろう。