武士道セブンティーン!!
「…………もとより、お前を謹慎にした覚えはない。
昨夜のことを反省し、1日大人しくしていろと言っただけだ」
勘違いするな、と。
土方はそう言うと、羽織りを翻して部屋に戻った。
バタンと閉じられた障子が、何となく土方との距離を表しているようで、変な気分になる。
(…………別に、嫌われようがどうってことないけど)
ハメるような真似をして、ますますアイツの中のあたしが下がっただろう。
下がるほど上にないかもしれないけど。
まぁ、いいか。
土方はあたしのこと嫌いだろうし、あたしも土方のことは好きじゃない。
始めっからそうなんだから、今更だ。
「宮本、とりあえず良かったな」
「斎藤君」
縁側を降りて近付いてきた斎藤は、為三郎の頭をかき混ぜながらあたしを見た。
「でも一応、お前は局長方に謝るべきだ。
女であるお前を心配して、怒ってくれただろう。…………まぁ多少、自分達のことを心配して言ったこともあるだろうが」
「…………そうですね」
今考えると、昨日のあたしの態度は、すごく失礼なものだ。
あたしに自分たちの考えを押し付けようとした事もあるけど、
それよりも、あたしの怪我を心配して、ちゃんと話を聞いてくれた。
あたしはただ、自分が出来なかったことを棚に上げて、つまらない意地を張って八つ当たりしていただけだ。
「自分の無力を、芹沢局長のせいにしていただけでした。
反省してます」
「分かっているならいい」
「斎藤さん!ありがとう!」
突然目の前の為三郎が声を上げたから、驚いた。