武士道セブンティーン!!
斎藤は、子供相手にニコリともせず、いつも通りの無表情で、為三郎を見下ろした。
人の事言えないけど、その顔じゃ子供相手は向かないだろう。
「斎藤さんのおかげで、眞ちゃん守ることが出来た。ありがとうっ」
しかし為三郎は、怖がらずに明るく笑いながら、斎藤を見上げた。
斎藤さんのおかげ?
どういうことだろう。
首を傾げたあたしをよそに、斎藤は目を細めると、
それはそれは綺麗に微笑んだ。
「…………いや、お前が頑張ったからだ。俺は何もしていない」
お手柄だな、と。
斎藤は為三郎の頭を撫でた。
その優しげな表情に、少しだけ胸がときめいた。
普通に子供、好きなんだ。ちょっと意外。
「子供、好きなんですね」
「嫌う理由があるか?」
「何となく。斎藤君、嫌いじゃなくても苦手だと思ってました」
「そんなこと、言ってないし思ってもないけどな」
斎藤は苦笑すると、今度はあたしの髪をわしゃわしゃしてきた。
ぎゃっ、とびっくりした猫みたいな声を上げる。