武士道セブンティーン!!
「あ、そうだ。永倉さんは間接的とはいえ名前聞いちゃったんで教えたげます。あたし、宮本と言います」
「何なんだテメェ!」
男前の怒鳴り声が響いた時、部屋の襖がスッと開いた。
「うるさいですよ土方さん。何を騒いでるんですか……って。永倉さんじゃないですか」
部屋に顔を出したのは、これまた綺麗な顔した男。
男でも女でも通りそうな、中性的な顔をしている。神様って不公平だ。
「何してるんです?こんなところで……そちらの方は?」
ニッコリと微笑まれたが、あたしの体にはゾクリと悪寒が走った。
優しげな笑みも、目が冷たいままじゃ台無しである。
「どうも、夜分遅くに申し訳ない。あたしは永倉さんに危機を知らせたのに何故か罪人もどきに連行されたか弱い通りすがりの女です」
「どこがか弱いだ。冗談は顔の出来だけにしろ」
「少なくとも冗談にならない程度の顔をしていると自覚しております」
「どうでもいい」
「じゃ言うな」
ぐっと言葉に詰まった男前に、女顔がぷっと吹き出した。