武士道セブンティーン!!
障子近くに立った芹沢は、近くにいるあたしを一瞥もせず、
下品な顔で部屋の中を舐め回す。
「話し合いに参加するくらい、筆頭局長として当たり前のことよ」
ニィッと口元を歪めて笑う。
あの人同じ顔だ。寒気がする。
今日は、あの鉄扇を持っていないらしい。
「何でぃ、今まで一度も参加した事なんてなかっただろう。
珍しい事もあるもんだな」
芹沢と土方の間で見えない火花が散っている。
火花っていうかむしろレーザー光線でも出そうな目つきだけど。
ホントに仲悪いな、この人達は。
あたしもいわく付きだけどね。この人とは。
「…………失礼します」
これ以上、ここにいる理由もない。
無駄な争いには巻き込まれたくないし。
そう考え、あたしは目立たないように静かに、俯きがちに芹沢の脇を通り抜けようとする。
「…………こないだ、新見に向かってきた威勢とはえらい違いだのう。意気地のない」
「……は、」
馬鹿にした声音にカチンと来て思わず顔を上げる。
すると、同時に着物の胸元を肉厚な手に掴まれる。
「…………っ!」
息を呑む。
部屋の中からも、同じように息を呑むような音が聞こえた。
何も抵抗できないまま、そのまま力ずくに、
芹沢の右横の壁に叩きつけるように押し付けられた。
体に鈍い衝撃が走り、呻く。