武士道セブンティーン!!
あたしの顔掴んだ芹沢は、一瞬だけ手を離すと、また乱暴に、あたしの前髪を引き上げた。
頭皮に伝わる痛みに、小さく声を上げる。
でも、痛み以上に今のあたしを襲ったのは、恐怖だった。
あたしの両眼にかかるくらいだった、意識的に伸ばしていた前髪。
お風呂上がりだから、包帯も巻いていない。
その前髪を引き上げられた、今。
「………………っ、」
目を見開き、声もなく芹沢を見上げる。
あたしを無表情に見下ろしていた芹沢は、
やがて鼻を鳴らしながら、不快そうに顔を歪め笑った。
そして、顔を近付けて、囁くような声で呟いた。
「……女子のくせに、醜い目よの」
───『気持ち悪い!』
かっ、と顔が熱くなる。
けどそれとは反対に、全身の血が下がっていくような、気持ち悪い感覚が込み上げた。
視界がぐわんぐわんしている。
芹沢が醜いというのも、当たり前のことだった。
…………あたしだって、自分の目が醜いと思うから。