武士道セブンティーン!!




生まれついての白内障で、白く混濁した左眼。



そして。


その目尻ギリギリに刻まれた、2センチ程の傷跡。



ああ、何て醜い目だろう。



この目は、あたしのちっぽけな人生の全てを表している。




 (…………こわい) 



寒いわけでもないのに、体が震える。


拳を強く、爪が食い込むくらいに握り締める。



何がこわいと言うんだ。

お前は、とっくの昔に諦めたんだろう。




(……収まれ、収まれ、)


震えるな。


こんなのあたしじゃない。





「……フン。強気なのもただ臆病なだけか」



つまらぬガキじゃ、と芹沢はあたしの髪から手を離すと、鉄扇をパチンと閉じて、

部屋から出て行った。




「………………」



嵐の後の静けさ。



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